content.header -%>
お気に入りリンク

2006年09月18日

新聞連載コラム。自分が消えてゆくという恐怖。

==================================
 おひさしぶりです。

 
 読売新聞連載中の「声をたずねて君に」について管理人コラムどうぞ

最後までお付き合いください。


 
 今のところは原因不明だが、

何かのトラウマによって、声がでなくなってしまったのではないかという医師

の解答に心当たりが最初まったくなかったのでますます混乱する主人公です。


 とにかく、ラジオ番組の出演日がせまっているので番組担当のプロデュー

サーに、自分の現在の状況を説明しにゆきます。



 担当者の横山という男性は、

ほとんど経験もない主人公の起用について反対するスタッフ全員に対して

ほとんど強引にキャスティングを決定したという主人公にとって恩人であり、

彼が心から信頼を寄せている相手です。



 声が出なくなって、医者すら匙を投げているように、もはや

解決の糸口すらないような主人公にとって、彼が社会と唯一つながりを

もっている最後の砦なんですね。



 また、読者の視点からみても、横山という登場人物の存在は、

自分たちもすくわれたような錯覚をおぼえるほど影響力がとても強いと思われ

ます。

 
 登場人物設定の妙だなあと思いました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 主人公がありのまま伝えると、横山は1月中までは代役を起用して乗り切れ

るが、それ以上は誤魔化しは利かないと告げます。



 こうして主人公は、医者にも、寄らば大樹の横山にも見切りをつけられた

ことになります。



 読者もまた、これで世界のすべてが終わってしまったような恐怖と徒労感

を感じることでしょう。



 こんなに小説の世界に引っ張り込むことができれば作家の勝利ですよね。



 その日横山と別れを告げた後、自分がいつも通る道を歩いていると、

何故か記憶から完全にわすれていた正月に自分が体験した奇妙な出来事を

思い出すのです。



 それは、人気のない正月の日の午後に、

食料の買い出しでコンビニまで歩いてでかけていた主人公が信号待ちして

いた時、車道を通り過ぎてゆくバスのそのいちばん後部座席に

若いころの主人公が座っていて、主人公を見おろしていることに気づいた

というミステリアスな体験だったのです。



 他人の空似だよと自分で言い聞かせつつも主人公はタクシーまで利用して

カッコよく言っちゃえばカーチェイスします。


 懸命に追い駆けている相手というのが、犯人でもなければ同郷で

昔好きだった女の子というわけでもありません。


 
 若い頃の自分というのが、気持ちわるさを覚えるようなミステリーであり、

若さを懐かしんでいるようなユーモラスすら感じてしまいます。



 結局ここで作者が表現したいのは、主人公がその時自分のことを見失って

痛んだということなのではないかと思います。


 
 現在やこれからの未来の自分に対し、漠然とした不安や不満というものを

抱えていたということなのでしょうね。


 こういうところは、さすがに上手いな〜!!
 
 
 

  
posted by news at 01:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。