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2006年09月28日

本物の愛を知らないで生きてきた主人公

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 部屋も借り物で、オマケに部屋で置いて

いる家具類も、プロデューサーか

らのもらいものという無意識レベルで

毎日居心地の悪い主人公です。



 一人にはやや大きすぎるテーブルで、

彼は食事をするのもテレビを見るのも

自宅で仕事をするのにも兼用で使用して

いるんです。


 持て余すように、用事に振り分けて意味

なく座る位置を変えたりします^^



 要するに、彼には居場所がありません。

本来唯一くつろぐことができる自分の家の

はずなのにです。



 でも実はこんなことは社会人になった

彼がはじめて経験することではありません。


 小さいころ彼の両親は仕事で忙しく

まったく彼にかまってくれませんでしたね。



 その分彼は、小さなころより彼の祖母から

愛情をもらってなんとか育ってきたんです。

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 作者の沢木耕太郎せんせいは、それがいけ

なかったんだと言っているんですよね。



 
 親子には扶養の当然の義務があります。



 それが意味するのは、何も子供に食事を与

えることだけじゃないことは明らかです。


 なかなか大変なんだけど、それだけなら

まるでお金がかかりすぎる単なるペット。



 人間を全裸にしたまま、町中をニコニコ

散歩させようものなら警官に即逮捕される

でしょう(笑)

 
 おまけに首輪なんかはめてるんだから、

完全に精神異常者!!




 立派に大人になるまで、徹底的な干渉と、

愛情ある突き放しを重ね、あたたかく見守り、

時に厳しく接して躾けてゆくものでしょう。




 それなしに真の親子の絆が生まることは

ないのです。
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               3ページ

 また、それを知らないまま不幸にも育って

しまった大人は、その大切さを身をもって実感

していませんから、


自分の愛する人にもそういう薄情な愛情表現

しかできないのです。




 主人公にはやはり、そんな主人公に惹かれる

少し変わり者な女性だけが集まってきます。



 主人公は自分には出来すぎの不釣合いの大き

な企業に入社してしまいました。



 自分のことを孫のような寛大すぎるほどの愛情

で過大評価しすぎる人事部長のおかげでした。



 それでも彼は勘違いはしていないようです。

 少なくとも。


 この会社に入れたことは最初から間違っている

ようなもの、そんなくらいに彼はおもって

いるようでした。




 それでも彼はそんな借り物のアパートの

ような会社にいても、

特に居心地が悪くは感じませんでした。



 それは、彼の実家や、現在住んでいる

アパートでも同じようなものだからです。

借り物だらけの世界に慣れちゃっている

んです。
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              4ページ

 そして、おさない頃祖母が教えてくれた

料理の技術、自炊して一人で生き抜いてゆく

という人間の根源にふれるような感覚が、

彼の揺らぎそうな自尊心をガッチリと支えて

いました。これからも……


 「そうだったはずだったんです」




posted by news at 23:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年09月18日

新聞連載コラム。自分が消えてゆくという恐怖。

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 おひさしぶりです。

 
 読売新聞連載中の「声をたずねて君に」について管理人コラムどうぞ

最後までお付き合いください。


 
 今のところは原因不明だが、

何かのトラウマによって、声がでなくなってしまったのではないかという医師

の解答に心当たりが最初まったくなかったのでますます混乱する主人公です。


 とにかく、ラジオ番組の出演日がせまっているので番組担当のプロデュー

サーに、自分の現在の状況を説明しにゆきます。



 担当者の横山という男性は、

ほとんど経験もない主人公の起用について反対するスタッフ全員に対して

ほとんど強引にキャスティングを決定したという主人公にとって恩人であり、

彼が心から信頼を寄せている相手です。



 声が出なくなって、医者すら匙を投げているように、もはや

解決の糸口すらないような主人公にとって、彼が社会と唯一つながりを

もっている最後の砦なんですね。



 また、読者の視点からみても、横山という登場人物の存在は、

自分たちもすくわれたような錯覚をおぼえるほど影響力がとても強いと思われ

ます。

 
 登場人物設定の妙だなあと思いました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 主人公がありのまま伝えると、横山は1月中までは代役を起用して乗り切れ

るが、それ以上は誤魔化しは利かないと告げます。



 こうして主人公は、医者にも、寄らば大樹の横山にも見切りをつけられた

ことになります。



 読者もまた、これで世界のすべてが終わってしまったような恐怖と徒労感

を感じることでしょう。



 こんなに小説の世界に引っ張り込むことができれば作家の勝利ですよね。



 その日横山と別れを告げた後、自分がいつも通る道を歩いていると、

何故か記憶から完全にわすれていた正月に自分が体験した奇妙な出来事を

思い出すのです。



 それは、人気のない正月の日の午後に、

食料の買い出しでコンビニまで歩いてでかけていた主人公が信号待ちして

いた時、車道を通り過ぎてゆくバスのそのいちばん後部座席に

若いころの主人公が座っていて、主人公を見おろしていることに気づいた

というミステリアスな体験だったのです。



 他人の空似だよと自分で言い聞かせつつも主人公はタクシーまで利用して

カッコよく言っちゃえばカーチェイスします。


 懸命に追い駆けている相手というのが、犯人でもなければ同郷で

昔好きだった女の子というわけでもありません。


 
 若い頃の自分というのが、気持ちわるさを覚えるようなミステリーであり、

若さを懐かしんでいるようなユーモラスすら感じてしまいます。



 結局ここで作者が表現したいのは、主人公がその時自分のことを見失って

痛んだということなのではないかと思います。


 
 現在やこれからの未来の自分に対し、漠然とした不安や不満というものを

抱えていたということなのでしょうね。


 こういうところは、さすがに上手いな〜!!
 
 
 

  
posted by news at 01:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年09月12日

小説のユーモアについてかんがえる


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読売新聞連載小説「声をたずねて君に」についての管理人コラムです。


 
  心因で声が出なくなってしまったという主人公。

 
   正月3日間恋人もなく、話し相手さえいなかったので

自宅でひとりぼっち、せっかくの休日をだらだらとつぶしていた。


 
 なので、いつ頃から声が出なくなってしまったかよくわからなかった

……というのはちょっとしたユーモアになっていると思われる。


 何事も変な方へ考えすぎるぼくなんだけど。



 テレビでも観て過ごしていたんだね、きっと。

 
(正月のテレビ番組ってなんであんなに面白くないのだろう)
 



 明けましておめでとうさえ言わなかったんだこの人は。
 



 失語症なんてややもすると殺伐としかねない題材を扱ううえでも

このようなユーモアをちりばめるのはひとつのテクニックかもね。





 内科、耳鼻咽喉科、精神系の病院、カウンセリングと、病院という


病院を川を流れる大きな桃のように、たらい回しされてゆく主人公。




  完治するのに個人差があって半年かかる場合だってあるんだよと

聞かされて驚く。


 
 その時の主人公の反応を表現する心内語が個人的にはおもしろかった。


 
 「面倒なことになったようだぞ」という台詞のこと。


 
 もう既に言葉がしゃべられなくなってしまっている主人公は、

正月が明けるとすぐに、声の仕事がひかえているわけだし、

もっともっと焦っていていいんじゃない?



 絶望していたって全然不思議じゃない。もう将来のことまで


考えてとことんまで悲観的になって。



 というのに、素っ頓狂な心内語を選んだ作家は、

これもまた、センスが光っている良い部分だなと思ったし、

冒頭でもふれたみたいにユーモアなんじゃないかな。


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posted by news at 01:26 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2006年09月06日

ひさびさ投稿。声を訊ねて君にについてのコラム

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ひさしぶりの投稿となってしまいました。

 もしも、たのしみにしていたのに=3と思われていたかたがいたなら

申し訳ありませんでした。



 いろいろと用事があるもので、つい(汗)



 本題にはいります。




 物語の初回より一人称でストーリーテラーを務めていた主人公は、

自分の29才の時のことを何故かよく話題に持ち出しました。



 しかも主人公はこのことについて、別に特に意味はないんですといってい

る。


 我々読者は、あれ?変だぞ、と思いながらも、とにかく作者が物語を

前へ前へとすすめてくれてどのように展開してゆくのかを静かに

見つめてゆくことしかできないのです。



 このような違和感もミステリー性を豊富に含んでいるんですよねー。


 魅力のある小説には必ずこのようなエッセンスがあります。




 我々読者が物語を読みすすめてゆくエネルギーをうみだしますね。




 

 いずれにしても、

主人公の29才というのは、突然自分の声が出なくなってしまうという

おそろしく致命的な障害を抱え込んでしまうという大変な年だったわけです。



 それをたいした年じゃなかったと主人公が語っていたのだから、厳しく

言っちゃえばやり方としては、かなり強引すぎで失敗だったともとれます。



 まあそれはおいておいて。



 DJ系の仕事をしていたという主人公にとって声が出なくなってしまう

のは、失業を意味しますからたいへんなことですよね。



 現実的に言うと、いかなる仕事においても、コミュニケーションがいらない

仕事なんてゼロに等しいのですから、別にDJという職業設定が必須だった

ことにはなりません。

 

 誰だって声が出なくなったら恐ろしいです。恋人だって、友人だって

作るのが困難になってしまう。


 
 それでも、DJという仕事にしなくてはいけない理由はというと、

それは絶望・恐怖・不安を示す象徴になりえるからでしょうねー。




 主人公は病院へ行くことになります。


 そして原因は心因性のによるものだろうと分かります。


 
 主人公は、ある時ストレスと抗ストレスとの均衡がたまたま崩れてしまった

せいで声を失ってしまったというところまでが

当連載小説の現在時点です。



 主人公が心を取り戻し、結果自分の声もよみがえらせることが出来るように

なるまでのことを書くのか、

一生声が出なくなってしまうのか、すぐに治ってからのそれからの主人公を


書いてゆくのかはぼくには分かりません。



 物語らしい物語なら、もっとも前者での、ー心と声の復活ーを描いた小説

かなあと思います。



 「わたしは、あなたをあなたにしてあげることができないの」という

元彼女の意味深な言葉がこの小説の重大な核心にふれているんじゃないか


という思いが僕の中でますます強まっているんです。


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posted by news at 21:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

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