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2006年12月05日

声をたずねて君に。「あなたは誰?」

 当サイトは読売新聞で現在連載中の


沢木耕太郎先生作「声をたずねて君に」を読んだ


ゆいいちの偏見・思い込みコミの


コラムです。




 主人公はふたたび不思議な女性と


ファミリーレストランで会話をしております。


 会話といっても成立するはずのない会話です。




 主人公は声がでませんから口をぱくぱくさせている


だけです。



 しかしその女性は主人公が何を言っているのかが


分かります。



 うっすらでも聞こえている訳ではなく、

読唇術でもなければ勘なんかでもありません。


 
 彼女はただ何となく「分かる」とだけ言います。



 声が出ずしかしそうした病状のせいで本来伝わってくる


はずの負の空気が一切感じられない不思議な男と、


その男の聞こえないはずの声に対し理解して相槌をうちつづける女。



 当然その様子を知った別の客たちはその光景を異様と捉えます。


 戸惑う主人公。


 
 そして女は不意に主人公にこう尋ねるのです。



 「あなたは誰ですか」と。




 続きが早く読みたくなるねじれた展開です。


 
 この不思議な流れに身をまかせましょう。


 
タグ:小説 コラム
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2006年11月29日

声を尋ねて君に。これって愛の始まり?

 声が出なくなった主人公は、不可思議な縁で引き寄せられるように

一人の女と出会い、


本当に存在するのかどうか知れない男を探すために


レストランで落ち合うようになります。




 「そんな男性はやはりいないわ」という別れの言葉を聞かされたくない


主人公と、


声を失い聞こえるはずがない声が何故か聞こえるという女。


 これは主人公の話す声が聞きたいという気持ちを表している。





 つまりこれは愛の始まりなんですよね。作者がいいたいのはつまり。



 男は女の声が聞きたい、自分に瓜二つの男の存在なんかどうでもいい、


というか「自分」という男に少しずつでもいいから関心を持って欲しい


という心の現われを比喩しているようなもので、



女もまた、主人公のくだらない嘘で創りあげられた作り話かもしれない

というのに、主人公を求めている。




 そう、声を尋ねているのは主人公であって、女でもあるということなので

しょうね。



  う〜ん深いそして巧妙!
タグ:小説
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2006年11月17日

事実とイメージと回想のカオス

 読売新聞連載小説「声をたずねて君に」より。


 主人公は、路上で偶然遭遇した狂気じみた

男に何故か興味を覚えます。


 道行く人に配布して回っていたチラシの内容は

常軌を逸したものでした。



 ”ある人を探しているので、心当たりがある方は、

私に情報をください。



 ある人とは、何処かで存在しているはずの自分の分身

の男です。



 自分は生まれながらに恵まれた環境に育まれ今まで

生きてた。



 生活にさしたる不満もありません。


 最近自分が幸せなのは自分の分身が身代わりとして

不幸を背負っていて、それで帳消しにしているからなのでは

ないかと思うようになった。


 
 もう一人の自分が今非常に危険な状態に陥っており

今こそ自分は彼のを助けてあげなければならないと

思っている。

 
 自分の体に走る痛みが、彼がこの近くにいるということ

を知らせているのだという確信があるのです。



 どなたか狂言などと思われず分身の男を見つけ出すための

手がかりとなる情報をください。”



 ……というような内容のチラシを男は道行く人に配っていたわけです。



 異常な内容のチラシと、異常な男、普通の人であれば


まともに相手にしようとは思いませんし、記憶からスッパリと


断ち切ろうとするでしょう。




 しかし、主人公はそのチラシのことを、電車内でむさぼるように読み

漁りました。



 それは何故かといいますと、

その異常な男が考えていることと、主人公が考えていることとが

よく似ていたということと、

文章を読んでいて、ありえないはずのあるイメージが主人公に

襲いかかって

主人公ははげしい眩暈を覚えたほどだったからなのです。



 
 それは文章中にある交通事故について触れてあったところを


読んでいた主人公の脳裏に、自分の父親が事故の被害者に対し


大きな声で「大丈夫ですかー」と問いかけているというシーン


だったのです。



 異常な男、自分の父親、自分自身と不可思議なリンクがつながり、

ストーリーはまた新たな展開に進んでゆくのです。




 このような世界観、小説を書く者ならこのようなテクニック・

構想力を学び、大切にしたいものですね。


 
 
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2006年10月27日

声をたずねて君に。もう一人の自分を探して。

 ずいぶん久しぶりの投稿となってしまいました。


 楽しみにされていたという方には本当に申し訳ございません。


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 かなり話が進行した「声をたずねて君へ」ですが、


主人公は、声がでなくなった正月当時に体験した不思議な経験について


なぜか執拗なまでに追求します。




 精神科の先生には精神的なものだろうと診察されたことにどうしても

納得がいかないんですね。



 自分にそっくりの男を捜すために彼は毎晩バスの乗客から彼の姿を求める


のです。

 しかし彼は見つかりませんでした。


 そこで引っかかったのはその男が座っていた席の傍にいたという女性で


す。


 彼女に聞けば何か分かるかもしれないと。


 このようにキャラクターを持ち出して話を展開させてゆくあたりはかなり


勉強になるところですね。




 今度は彼女をさがす毎日です。ほんとうに暇なんですね。(*´∀`*)



 声が出なくなり失業寸前という男の悲哀が見え隠れします。



 
 そしてようやく見つけ出した彼女と会話をする為にレストランへ案内しま


す。彼女は不審感ありありです。


 そりゃそうですね。本当でも気の毒ですがちょっと薄気味悪いし、


ひょっとすればたちの悪い新たなナンパの手口かもしれません。



 人の同情を巧みに使って近づく悪いやつは世の中にはいるものです。



 
 とにかく彼は、その男をもしも見かけたら連絡が欲しいという。


 次の週もまたレストランで会えると思ったときに、

彼はじつは自分が男ではなく彼女に会いたかっただけなのではと意識しま


す。
 

姉妹サイト。

文学賞受賞を目指す。小説家への道。

 
 

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2006年09月28日

本物の愛を知らないで生きてきた主人公

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 部屋も借り物で、オマケに部屋で置いて

いる家具類も、プロデューサーか

らのもらいものという無意識レベルで

毎日居心地の悪い主人公です。



 一人にはやや大きすぎるテーブルで、

彼は食事をするのもテレビを見るのも

自宅で仕事をするのにも兼用で使用して

いるんです。


 持て余すように、用事に振り分けて意味

なく座る位置を変えたりします^^



 要するに、彼には居場所がありません。

本来唯一くつろぐことができる自分の家の

はずなのにです。



 でも実はこんなことは社会人になった

彼がはじめて経験することではありません。


 小さいころ彼の両親は仕事で忙しく

まったく彼にかまってくれませんでしたね。



 その分彼は、小さなころより彼の祖母から

愛情をもらってなんとか育ってきたんです。

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 作者の沢木耕太郎せんせいは、それがいけ

なかったんだと言っているんですよね。



 
 親子には扶養の当然の義務があります。



 それが意味するのは、何も子供に食事を与

えることだけじゃないことは明らかです。


 なかなか大変なんだけど、それだけなら

まるでお金がかかりすぎる単なるペット。



 人間を全裸にしたまま、町中をニコニコ

散歩させようものなら警官に即逮捕される

でしょう(笑)

 
 おまけに首輪なんかはめてるんだから、

完全に精神異常者!!




 立派に大人になるまで、徹底的な干渉と、

愛情ある突き放しを重ね、あたたかく見守り、

時に厳しく接して躾けてゆくものでしょう。




 それなしに真の親子の絆が生まることは

ないのです。
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               3ページ

 また、それを知らないまま不幸にも育って

しまった大人は、その大切さを身をもって実感

していませんから、


自分の愛する人にもそういう薄情な愛情表現

しかできないのです。




 主人公にはやはり、そんな主人公に惹かれる

少し変わり者な女性だけが集まってきます。



 主人公は自分には出来すぎの不釣合いの大き

な企業に入社してしまいました。



 自分のことを孫のような寛大すぎるほどの愛情

で過大評価しすぎる人事部長のおかげでした。



 それでも彼は勘違いはしていないようです。

 少なくとも。


 この会社に入れたことは最初から間違っている

ようなもの、そんなくらいに彼はおもって

いるようでした。




 それでも彼はそんな借り物のアパートの

ような会社にいても、

特に居心地が悪くは感じませんでした。



 それは、彼の実家や、現在住んでいる

アパートでも同じようなものだからです。

借り物だらけの世界に慣れちゃっている

んです。
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              4ページ

 そして、おさない頃祖母が教えてくれた

料理の技術、自炊して一人で生き抜いてゆく

という人間の根源にふれるような感覚が、

彼の揺らぎそうな自尊心をガッチリと支えて

いました。これからも……


 「そうだったはずだったんです」




posted by news at 23:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年09月18日

新聞連載コラム。自分が消えてゆくという恐怖。

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 おひさしぶりです。

 
 読売新聞連載中の「声をたずねて君に」について管理人コラムどうぞ

最後までお付き合いください。


 
 今のところは原因不明だが、

何かのトラウマによって、声がでなくなってしまったのではないかという医師

の解答に心当たりが最初まったくなかったのでますます混乱する主人公です。


 とにかく、ラジオ番組の出演日がせまっているので番組担当のプロデュー

サーに、自分の現在の状況を説明しにゆきます。



 担当者の横山という男性は、

ほとんど経験もない主人公の起用について反対するスタッフ全員に対して

ほとんど強引にキャスティングを決定したという主人公にとって恩人であり、

彼が心から信頼を寄せている相手です。



 声が出なくなって、医者すら匙を投げているように、もはや

解決の糸口すらないような主人公にとって、彼が社会と唯一つながりを

もっている最後の砦なんですね。



 また、読者の視点からみても、横山という登場人物の存在は、

自分たちもすくわれたような錯覚をおぼえるほど影響力がとても強いと思われ

ます。

 
 登場人物設定の妙だなあと思いました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 主人公がありのまま伝えると、横山は1月中までは代役を起用して乗り切れ

るが、それ以上は誤魔化しは利かないと告げます。



 こうして主人公は、医者にも、寄らば大樹の横山にも見切りをつけられた

ことになります。



 読者もまた、これで世界のすべてが終わってしまったような恐怖と徒労感

を感じることでしょう。



 こんなに小説の世界に引っ張り込むことができれば作家の勝利ですよね。



 その日横山と別れを告げた後、自分がいつも通る道を歩いていると、

何故か記憶から完全にわすれていた正月に自分が体験した奇妙な出来事を

思い出すのです。



 それは、人気のない正月の日の午後に、

食料の買い出しでコンビニまで歩いてでかけていた主人公が信号待ちして

いた時、車道を通り過ぎてゆくバスのそのいちばん後部座席に

若いころの主人公が座っていて、主人公を見おろしていることに気づいた

というミステリアスな体験だったのです。



 他人の空似だよと自分で言い聞かせつつも主人公はタクシーまで利用して

カッコよく言っちゃえばカーチェイスします。


 懸命に追い駆けている相手というのが、犯人でもなければ同郷で

昔好きだった女の子というわけでもありません。


 
 若い頃の自分というのが、気持ちわるさを覚えるようなミステリーであり、

若さを懐かしんでいるようなユーモラスすら感じてしまいます。



 結局ここで作者が表現したいのは、主人公がその時自分のことを見失って

痛んだということなのではないかと思います。


 
 現在やこれからの未来の自分に対し、漠然とした不安や不満というものを

抱えていたということなのでしょうね。


 こういうところは、さすがに上手いな〜!!
 
 
 

  
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2006年09月12日

小説のユーモアについてかんがえる


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読売新聞連載小説「声をたずねて君に」についての管理人コラムです。


 
  心因で声が出なくなってしまったという主人公。

 
   正月3日間恋人もなく、話し相手さえいなかったので

自宅でひとりぼっち、せっかくの休日をだらだらとつぶしていた。


 
 なので、いつ頃から声が出なくなってしまったかよくわからなかった

……というのはちょっとしたユーモアになっていると思われる。


 何事も変な方へ考えすぎるぼくなんだけど。



 テレビでも観て過ごしていたんだね、きっと。

 
(正月のテレビ番組ってなんであんなに面白くないのだろう)
 



 明けましておめでとうさえ言わなかったんだこの人は。
 



 失語症なんてややもすると殺伐としかねない題材を扱ううえでも

このようなユーモアをちりばめるのはひとつのテクニックかもね。





 内科、耳鼻咽喉科、精神系の病院、カウンセリングと、病院という


病院を川を流れる大きな桃のように、たらい回しされてゆく主人公。




  完治するのに個人差があって半年かかる場合だってあるんだよと

聞かされて驚く。


 
 その時の主人公の反応を表現する心内語が個人的にはおもしろかった。


 
 「面倒なことになったようだぞ」という台詞のこと。


 
 もう既に言葉がしゃべられなくなってしまっている主人公は、

正月が明けるとすぐに、声の仕事がひかえているわけだし、

もっともっと焦っていていいんじゃない?



 絶望していたって全然不思議じゃない。もう将来のことまで


考えてとことんまで悲観的になって。



 というのに、素っ頓狂な心内語を選んだ作家は、

これもまた、センスが光っている良い部分だなと思ったし、

冒頭でもふれたみたいにユーモアなんじゃないかな。


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posted by news at 01:26 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2006年09月06日

ひさびさ投稿。声を訊ねて君にについてのコラム

 人気小説情報

ひさしぶりの投稿となってしまいました。

 もしも、たのしみにしていたのに=3と思われていたかたがいたなら

申し訳ありませんでした。



 いろいろと用事があるもので、つい(汗)



 本題にはいります。




 物語の初回より一人称でストーリーテラーを務めていた主人公は、

自分の29才の時のことを何故かよく話題に持ち出しました。



 しかも主人公はこのことについて、別に特に意味はないんですといってい

る。


 我々読者は、あれ?変だぞ、と思いながらも、とにかく作者が物語を

前へ前へとすすめてくれてどのように展開してゆくのかを静かに

見つめてゆくことしかできないのです。



 このような違和感もミステリー性を豊富に含んでいるんですよねー。


 魅力のある小説には必ずこのようなエッセンスがあります。




 我々読者が物語を読みすすめてゆくエネルギーをうみだしますね。




 

 いずれにしても、

主人公の29才というのは、突然自分の声が出なくなってしまうという

おそろしく致命的な障害を抱え込んでしまうという大変な年だったわけです。



 それをたいした年じゃなかったと主人公が語っていたのだから、厳しく

言っちゃえばやり方としては、かなり強引すぎで失敗だったともとれます。



 まあそれはおいておいて。



 DJ系の仕事をしていたという主人公にとって声が出なくなってしまう

のは、失業を意味しますからたいへんなことですよね。



 現実的に言うと、いかなる仕事においても、コミュニケーションがいらない

仕事なんてゼロに等しいのですから、別にDJという職業設定が必須だった

ことにはなりません。

 

 誰だって声が出なくなったら恐ろしいです。恋人だって、友人だって

作るのが困難になってしまう。


 
 それでも、DJという仕事にしなくてはいけない理由はというと、

それは絶望・恐怖・不安を示す象徴になりえるからでしょうねー。




 主人公は病院へ行くことになります。


 そして原因は心因性のによるものだろうと分かります。


 
 主人公は、ある時ストレスと抗ストレスとの均衡がたまたま崩れてしまった

せいで声を失ってしまったというところまでが

当連載小説の現在時点です。



 主人公が心を取り戻し、結果自分の声もよみがえらせることが出来るように

なるまでのことを書くのか、

一生声が出なくなってしまうのか、すぐに治ってからのそれからの主人公を


書いてゆくのかはぼくには分かりません。



 物語らしい物語なら、もっとも前者での、ー心と声の復活ーを描いた小説

かなあと思います。



 「わたしは、あなたをあなたにしてあげることができないの」という

元彼女の意味深な言葉がこの小説の重大な核心にふれているんじゃないか


という思いが僕の中でますます強まっているんです。


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2006年08月30日

今日も読みました。新聞連載小説。

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管理人が見る読売新聞連載小説「声をたずねて君に」12回
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 身長が世間一般より高めという以外まったく平凡で他人との差別化が

はかれないという主人公。



 そんな主人公ですが

言葉については自覚的にならざるをえないということを、前回に引き続

き、例をとりあげながらつづっています。


 
 二年半務めていた会社を辞めるという主人公に対し、

上司は一応慰留し主人

公の指導係をつとめてくれていた先輩社員を主人公の下へやります。


 
 「腹を割って話そう」先輩はこう言うのです。

 どうしてそんなことが言えるのだろう。主人公は思いました。1ページ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
                     
 二人の本当の本音。


 上司役からすれば、さしたる能力のない主人公が

1人やふたり辞めようと痛くも痒くもありません、が、社員定着率の悪さが

自分の人事考課の評価を悪くするかも知れないと考えて慰留したのでしょう。



 また、主人公の指導社員を務めたことがある先輩社員からしてみれば、

上司から主人公の本当の退職理由を聞き出すことを依頼されやってきたので

あって、主人公が本当に心配ではありません。むしろここを辞めるのは勝手だ

けど君程度の能力ではどこへ行っても通用しないよとすら考えているでしょ

う。



 自分が主人公の指導係を務めていたという一応のそのような他生の縁を

考慮してのことだったり、

当時主人公のことを一人前のサラリーマンに鍛えるべく自分は懸命に

教えてきたという自身へ向かったプライドであったりするのです。


 彼らからしてみれば、別にいつ辞めてくれても構わない人材なんですね。
                             2ページ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 平常なら、主人公と一緒に食事をしたりお酒を飲んだり、

休日に遊びにでかけて行ったりするなどして親交を深めたいと思いません。



 そんな本音を腹に隠しているはずの先輩から思いがけず、

「腹を割って話をしよう」という言葉をかけられ主人公はとまどうのです。



 彼にとって言葉は人類同士が交信するためにコミュニケーションツールの

機能をもたせたていたりしている単なる字の羅列なのです。



 そして世界中のほとんどの人々もまた彼らとおんなじなんです。



 そんなことに一々注意なんか払おうとしません。だいいち時間のムダです

し、そんなことを考えたってキリがありませんよね。

 そんなことが気になるなんて一種のオタク状態みたいなもの。



 でも、主人公は違います。いちいち気になって仕方ないんです。

 解答を求めカタルシスを得ようとします。3ページ           
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 会社でも有能と評価される彼らのようなの立場の人間からしてみれば、

平凡すぎる主人公が会社で平凡な仕事だけしか与えられないのは当然と考え

ています。


 でも、客観的な自己評価ができない本人たちにとってはそんな評価待遇が

受け入れられず苦痛に思っているだろうと彼らは察しているのです。

 
 だから主人公は会社を辞めたくなったと。


 ところがです、大卒だったっからそこでは給料も高く、自分が平凡である

と認識できていた主人公にとっては

今の会社が不満では全くありませんでした。



 上昇志向が強く、成功する為のマインドと能力をそなえる彼らは、

そんな主人公の思考体系が理解できませんからどうしてだろうと悩むのです。



 ちょうどそれは彼らが言葉に対してどうしてそれほどまでに無自覚なんだろ

うと理解できずに悩んでいる主人公と同じなんですよね。


 沢木耕太郎先生は意図してこのようなストーリーを描いているように

ぼくには思われるのです。

posted by news at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2006年08月28日

彼女の霊感と、平凡すぎる僕について

 管理人読書コラム。読売新聞「声をたずねて、君に」



 卒業旅行で知り合ったことが縁で日本に帰国して社会人になってからも

交際をつづけていた主人公と蘇我ですが、

「結婚するから」という突然の彼女からの別れの言葉によって恋愛はそこで

破局してしまいます。



 ぼくはいずれこの女性と結婚するのだろうな、というあくまでーそんな

感じがするーと思っていた当時の主人公にとってそれは晴天の霹靂・寝耳に

水のことでしたが、その運命に抗おうとするだけの気概が何故かその時

うまれてはこなかった。「自分は彼女には本当は相応しくないのではない

か?」そんな思いが主人

公にはあったからなんです。


 →そのことについての管理人の感想は文末にあります。



 彼女は「わたしは、あなたを、あなたにしてあげることができない」

というミステリアスな言葉をのこして。

================================== 
 しかし、男女の関係ではなくなっても、その後もふたりの交信はつづきま

す。


 
 しかもそれは非常に奇妙なやりとりがつづくのでした。


 彼女にも、いやそれどころか誰ひとり知られるはずがない、

主人公の身内の不幸や、主人公が勤め先を辞めることなどを前もって

彼女は言い当ててしまうのです。


 ひぃっ〜なんかこわいですね。


 →つまり主人公の第六感なんか遠くにも

及ばない、強力な霊感や予知能力のような

ものを、彼女がもちあわせているから主人公は彼女とは釣り合いが取れていな

いような不和感を抱いていたんですね。きっと。



 そして、主人公は、自分があまりにも平凡なにんげんであることを

つらつらと吐露するのです。




 でもこんな凡人キャラクターでこれから勝負してゆくなんて、これから

どのようにストーリー展開させてゆくのでしょうかねー

 
 心配になってきますけど、たのしみです。


posted by news at 19:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

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